無痛分娩なぜ普及しない?楽してはダメ?無痛を選べないママの理由!?

スポンサーリンク
スポンサードリンク

日本では、無痛分娩の普及率が海外に比べてとても低いです。

フランス8割、アメリカ6割に比べて、日本3割弱です。

どうしてここまで差が出るのでしょうか。

 

目次

日本で無痛分娩が普及しにくい理由

その理由のひとつとして、国民性の違いがあげられます。

妊婦さん本人だけでなく、夫や妊婦の母親、助産師までもが、お腹を痛めて

産んでこそ我が子への愛情がわくものだと考える風潮があるのです。

陣痛に耐えてこそ、一人前の母親と認められる傾向があります。

ですから、自然分娩でなく帝王切開でさえ肩身が狭いように考える人が

かなりいます。

自然分娩が、一番優れていて帝王切開は二番目、無痛分娩なんてラクしては

ダメという風潮があるんですね。

帝王切開ではお産とはいえないとか、産みの苦しみを経験してこそ

一人前の母親であるとか…

そう言った考えは、助産師さんたちには深く浸透していて、

むしろ助産師さんたちから世間へ向けて、そういった価値観が発信されていると

いっても過言ではありません。

フランスやアメリカは、日本のように我慢を強いるのではなく、

痛いものは痛いいやなものはいやとはっきり言うという国民性があるのです。

日本でもよく聞くようになったソフロロジー出産は、瞑想などによって

痛みを和らげる分娩法ですが、本場フランスではいざ出産が迫ると

硬膜外麻酔による無痛分娩に切り替えてしまいます。

国民性の違いが、無痛分娩の普及率の低さの原因のひとつです。

その他に見逃せないのが、病院における無痛分娩24時間医療体制を

確保するためのスタッフの人手不足です。

アメリカ・フランスの無痛分娩は、大きな病院で、いざという時には

他の科と連携しながら24時間対応の医療体制で行われています。

日本では麻酔技術が劣るわけではないのに、特に産科・麻酔科の医師の

人手不足により、なかなかそのような行き届いた医療体制は組めていません。

大きな病院で、「無痛分娩チーム」を新たに立ち上げることが困難なのです。

産婦人科医師も助産師も、これまで自然分娩でやってきているのもあって

積極的でない医療関係者も多いので、無痛分娩を導入するとなると

まず医療関係者を説得することろから始める必要が出てくるのです。

出産で事故があったときに、無痛分娩のせいにされるのでは?という点からも

無痛分娩賛成派が少数な理由となっています。

このように、大きな病院では、無痛分娩を選択できる環境が整っていないため

開業医(産院)で、出産の日を前もって決めた上で、院長ひとりが

麻酔管理に当たって無痛分娩を行うことになります。

そして、陣痛促進剤による「計画出産」が絶対条件のようです。

フランス・アメリカの大きな病院での無痛分娩は、計画出産ではなく

自然に陣痛がくる時期を待って無痛分娩ができます。

このように、無痛分娩が普及しにくいもうひとつの大きな理由は、

無痛分娩ができる医療体制の整った病院の少なさにもあるようです。

自然分娩と無痛分娩を迷う理由は?痛みとお金どっちを取る!?

スポンサードリンク

自然分娩と無痛分娩、どちらにしようと迷う妊婦さんもたくさんいます。

まず、無痛分娩についての詳しい情報が少ないのです。

そして、無痛分娩だと費用が自然分娩より数万円から15万円プラスされるという

費用の面からも迷うのです。

痛みをとるか?お金をとるか?という選択に悩みます。

麻酔に危険はないだろうか?ほんとうに痛みがなくなるんだろうか?

そして、痛みから逃げたら意気地がないとまわりから責められるのではないかと悩みます。

無痛分娩そのものについては、医師の説明を聞いて納得しても、無痛分娩のために、

日本では、陣痛促進剤による「計画出産」を前提としていることに不安を感じて

無痛分娩をやめる人もいます。

また、初産で陣痛を誘発すると難産になり帝王切開になる可能性が高まるのです。

米国産科婦人科学会では、少なくとも39週以前はできる限り陣痛誘発を行わない

こととのガイドラインを発表しています。

海外の無痛分娩は陣痛がくるのを待つそうなので、日本の無痛分娩とは

状況が違うのです。

無痛分娩は望むが、「計画出産」は避けたいという理由から無痛分娩をあきらめた

というママがいるのも事実です。

無痛分娩のデメリット!?計画出産が避けられない現状!?

このように、無痛分娩そのもののデメリットより、日本の無痛分娩では避けられない

「計画出産」のデメリットが大きいです。

計画出産のために、陣痛促進剤で陣痛を誘発すると、子宮が過度に収縮してしまい

胎児が圧迫されてしまったり、子宮が破裂するリスクがわずかではありますが

出てきます。

また、陣痛促進剤には、人口の「オキシトシン」というホルモンが含まれていて、

陣痛促進剤を使うことで、ママの体内で自然に作られるオキシトシンが減ってしまいます。

そして、産後に母乳の分泌を助ける「オキシトシン」が減るということは

母乳の作られる量が減り、母乳育児をする期間が短くなる傾向があるのです。

陣痛促進剤を使ったら、出産後、赤ちゃんとのふれあいや授乳回数を増やしたりして

母乳分泌を助けるように促すことが大切になってきます。

無痛分娩そのもののデメリットとしては、麻酔で陣痛が弱くなり、

お産がなかなか進まなくなって、吸引分娩や鉗子分娩、緊急帝王切開に切り替える

ことになる場合もあります。

数万円~15万円もよけいにかかる費用もデメリットですね。

スポンサードリンク

まとめ

 

日本で無痛分娩が普及しにくい理由として、

・日本には、痛みに耐えてこそ一人前の母親という風潮が強い国民性があるということ。

・産科麻酔科の医師不足により、病院で新しく無痛分娩チームの医療体制を

つくることがむずかしいこと。

があげられます。

無痛分娩のデメリットのひとつは、計画出産で使用する陣痛促進剤による

子宮の過度な収縮とオキシトシンの減少です。

無痛分娩そのもののデメリットは、麻酔により陣痛が弱まることで難産になる

可能性があることです。

自然分娩より、数万円から15万円もよけいに費用がかかります。

最後に、無痛分娩のメリットですが、出産でのママの疲労感が減るので、

産後の体力回復が早いことがあげられます。

そして、無痛分娩はいきみが少なくて産めるので、呼吸を止めていきまなくても

済むことから、赤ちゃんに送る酸素の量を保つことができます。

心臓や肺の病気がある妊婦さんは、迷わず無痛分娩を検討したほうが

いいように思います。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。